木造4階の県営住宅を現しの準耐火構造で、徳島県が設計コンペで全国初の試み

進化する木造建築物

日経クロステック/日経アーキテクチュアより。

徳島県は2020年2月28日、県営住宅の建て替えと周辺空き地を活用した施設整備とを合わせて実施する「awaもくよんプロジェクト」の設計コンペの募集概要を公表した。県営住宅では、全国初となる木造4階建てで木を現しにした準耐火構造を求める。19年6月施行の改正建築基準法で可能になった。

「awaもくよんプロジェクト」設計競技の告知資料(資料:徳島県)

飯泉嘉門同県知事はコンペ概要の公表に先立つ20年2月19日の定例県議会で、「住宅セーフティーネットの確保とSDGs(持続可能な開発目標)の実現に貢献する徳島モデルになるよう、“現し木造”による県営住宅の建て替えなどをしっかりと進めていく」と、意気込みを語った。県は、設計コンペの応募登録を20年3月19日まで受け付け、4月10日に1次審査書類の提出を締め切る。

 応募者については、徳島県知事の登録を受けている一級建築士事務所であることとした。県外の建築士事務所の場合、同条件を満たす建築士事務所と共同企業体(JV)を組めば応募できる。コンペの審査委員会の委員長には、東京大学名誉教授の坂本功氏が就いた。副委員長は、横浜国立大学大学院Y-GSA教授で乾久美子建築設計事務所を主宰する乾久美子氏が務める。

 awaもくよんプロジェクトは、徳島市新浜町の県営住宅「新浜町団地」に立つ3棟を1棟に集約する建て替えと、3棟の跡地を含む周辺の空き地に福祉機能や防災機能などを備える施設を整備する2つの事業から成る。


awaもくよんプロジェクトの関連地図。徳島県新浜町に立つ「新浜町団地」の旧10号棟、旧11号棟、旧12号棟の計3棟を、新築する県営住宅1棟(27戸)に集約する(資料:徳島県)

既存の旧12号棟の外観。建て替えによって、建物の老朽化に対応し、居住性能の改善などを図る(写真:徳島県)


 今回の設計コンペはこのうち、新築する県営住宅が対象だ。県営住宅と空き地に設ける施設が連携・調和するよう、空き地活用案も求める。県営住宅は21年10月ごろの着工、22年6月ごろの完成を目指す。外構を除いた建設費は、5億4000万円が上限だ。基本・実施設計業務の委託費は、2700万円以内とした。

 県が公表した設計条件書では、県営住宅の基本方針について、柱や梁などの主要構造部の主な部分を木造現しによる準耐火構造とすること、4階建てとすることを明記した。ただし、階段室やエレベーターシャフトなどでは、鉄筋コンクリート(RC)造、防火被覆した木造などとしてもよい。


徳島県で木造4階建ての県営住宅設計コンペが始まります。

良いコンペになります様に!

島津建築設計事務所

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