木造20階建構想

竹中工務店/耐火集成木材が2時間耐火認定取得/都市部で中高層建築の木造化可能に [2018年1月31日3面より]
 
高層木造建築モデル「アルタ・リグナ・タワー」
 竹中工務店は30日、建築物の柱や梁に使う耐火集成木材「燃エンウッド」が2時間耐火構造部材の国土交通大臣認定を取得したと発表した。従来の1時間耐火構造より厳しい環境下でも部材内部に燃焼が広がらないようにするため、燃え代層から燃え止まり層までの厚さを1時間耐火構造より20ミリ厚い105ミリとした。14階建てや最上階から14層までの中高層建築物の木造化が可能となることから、都市部での大規模な木造建築の実現を目指す。
 2時間耐火構造の燃エンウッドは、1時間耐火構造と同様、木材による「荷重支持部」、石こう系セルフレベリング材と木で構成される「燃え止まり層」、木材の「燃え代層」の3層で構成する。
 最外層の燃え代層がゆっくり燃えて熱の侵入を抑制し、第2層の燃え止まり層の石こう系材が熱を吸収する。これにより、荷重支持部が燃焼・炭化温度の260度を超えない状況を作り出し、耐火性能を確保する。公的試験所の性能評価試験で、RC造やS造の耐火構造部材と同等の耐火性能が証明された。
 今後のプロジェクトへの適用に向け、20階建ての高層木造建築モデルを試設計した。建物名は「アルタ・リグナ・タワー」。アルタ・リグナはラテン語で高い木々を意味し、7階以上の柱や梁に燃エンウッドを適用する。このビルは低層階は商業・会議施設、高層階はオフィスの複合用途を想定して設計したという。
 1時間耐火の燃エンウッドは、13年に竣工したプロジェクトを皮切りに、8件(2件は施工中)に適用してきた。現在も採用検討中のプロジェクトが数件あり、1時間耐火と2時間耐火を合わせて年間5~10件の適用を見込んでいる。

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