完成から2カ月で窓枠から雨漏りが…

日経アキテクチュアより。

『記事見出しは完成から2か月で窓枠から雨漏り云々と書き出している。以前日経アキテクチュアで読んだ記憶がある。現場を理解しているのであればこの様な納まりは非常に危険である!』

新築からわずか2カ月あまりの木造3階建て住宅で雨漏りが発生した。 雨が降ると、建物の南側に面した1階トイレの窓枠から水が入ってきた。 南側の外壁は、屋根まで3層分の高さがあり、問題の窓以外にも複数の窓や換気口などがある。 なぜ1階トイレだけで雨漏りが生じるのか、わからない…。 さて、どのように対処したらよいのだろうか。

上の図で「原因(1)」の個所で、防水紙が下地合板の上端まできちんと施工されていなかった。小屋裏から確認すると、本来は上部の横材に届いているはずの下地合板も、高さが足りずに、上端にすき間が空いていた。この個所が雨水の第一の浸入経路とみられた。 調査員が第二の浸入経路と推測したのは、軒天の換気口。上の図で「原因(2)」の個所だ。調べてみると、雨水が浸入した形跡が残っていた。さらに、軒天で換気口以外の個所は、防水紙がまったく張られていなかった。軒と外壁との取り合い部からも雨水が浸入した可能性のあることも判明した。 雨漏りの原因は、軒まわりの納まりにあった。調査の依頼を受けた(株)住宅検査保証協会(東京都墨田区)の調査員は、軒の出が25cm程度しかない点に着目。屋外から目視で点検し、軒先付近で防水紙の施工不良を発見した。

短い軒にリスクあり  

「外壁の防水紙は、軒まわりまで連続して張らないと、雨漏りを起こす可能性高い」。調査に同行した同社社長の大場喜和さんはそう指摘する.雨漏りが生じた1階トイレの窓は、問題が見つかった軒の直下にあった。「浸入した雨水が壁内の流れやすい個所を通って最下層の窓枠付近に達し、室内に漏れた」と大場さんらは推定した。検証するために大場さんらは、まずはこの壁面にあるすべての窓でサッシの締め付け具合を調べたり、個別の窓付近に散水試験を実施したりして、異常がないことを確認。そのうえで壁面全体に下層から上層にかけて順次、散水した。  軒まわりに水を吹き付けた際に、問題の1階トイレの窓から漏水を確認。大場さんらは、原因は推定したとおりと結論付けた。この散水試験では、3階居室でも水が漏れてきたという。大場さんらは、軒まわりの防水紙を張り直すように助言した。  「この住宅で問題の壁面は隣家との間隔も狭く、雨水が風で巻き上げられやすい。短い軒は、外壁との取り合い部など、施工不良が生じやすい個所に雨水が下側から直接当たるので、注意が必要だ」と大場さんは指摘する。

(初出:日経ホームビルダー2008年6月号 当時の記事のまま再掲載)


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