和歌山で「ツタヤ図書館」が開業、南海電鉄と市が複合施設を共同開発

 南海本線の和歌山市駅に直結した大型複合施設

「キーノ和歌山」(和歌山市)

が2020年6月5日に全面開業した。和歌山市と、

施行者である南海電気鉄道が共同で進めてきた

和歌山市駅前地区第一種市街地再開発事業だ。

17年3月に供用開始したオフィス部分などに続いて、

商業施設や図書館を開業した。

「蔦屋書店」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)

が指定管理者として、図書館を運営する。


「キーノ和歌山」の南面外観。南海電鉄の和歌山市駅に直結している(写真:南海電気鉄道)

キーノ和歌山には、「和歌山市民図書館」も含まれる。写真は図書館の2階内観(写真:和歌山市)


キーノ和歌山は5棟から成り、延べ面積は約3万8000m2に及ぶ。

敷地中央に鉄骨造、地上12階建ての建物を配置。

低層部に商業エリア、高層部に「カンデオホテルズ南海和歌山」を入れた。

同建物の東側には「和歌山市民図書館」、

西側にはオフィス棟などが並ぶ。

キーノ和歌山の施設構成(資料:南海電気鉄道)

建築主は南海電鉄だ。2期に分けて整備し、

第1期としてオフィス部分を17年3月に先行して完成させた。

設計者は竹中工務店、施工者は竹中工務店・南海辰村建設共同企業体(JV)。

第1期の総事業費は約40億円だ。
続いて第2期として整備した商業エリアや図書館などの

設計者はアール・アイ・エー(東京・港)、

施工者は竹中工務店・南海辰村建設・浅川組JV。

第2期の総事業費は約124億円だ。

完成と同日に、市は図書館を南海電鉄から買い取った。

図書館を運営するCCCへの運営委託費は年間で約3億3000万円だ。
国や県は市を通じてそれぞれ約32億円と約14億円、

市は約18億円を市街地再開発事業の補助金として南海電鉄に交付した。
南海電鉄は20年2月時点で、

商業エリアに年間約200万人の来場を見込んでいた。

だが、コロナ禍の影響を受け、同社広報部は

「今はまだ来客者数の見通しを立てることが難しい。

県外など遠方からの来客を促す宣伝もしづらい状況だ」と説明する。

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