新型コロナ病院、日本でも10日で建設可能
日経クロステック
中国の湖北省武漢市で新型コロナウイルス専門病院として、
整備開始から10日後に稼働した「火神山医院」。
出来上がった様子は、世界を驚かせた。
日本でも同様の施設を建てることは可能なのだろうか。
務めてきたプラスPM(大阪市)に火神山医院の分析を依頼した。
プロジェクト開始から10日で建設された中国・武漢の「火神山医院」。
建設現場などで利用される「ユニットハウス」
を組み合わせたつくりになっている(写真:新華社/アフロ)
プラスPMコンストラクション・マネジメント(CM)部の馬渡康隆氏は、
「火神山医院の建設過程を写真や映像で検証すると、
日本でも同じような医療施設を突貫工事で建てることは、
技術的に可能だ」と言う。
利用される『ユニットハウス』を組み合わせたつくりだ」と説明する。
用地取得や人員確保などの課題さえクリアできれば、
施設の建設そのものは難しくないという。
動き始めたのは2020年1月23日。設計図面は、
03年に世界で流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)
への対応として1週間で北京市に建てられた「小湯山医院」に倣った。
土地の高低差をならすための土工事が始まっている。
作業は昼夜を問わず進行した。
「現場の写真から基礎コンクリートは無筋と見られる。
12~15時間後に建築物を施工できる」と馬渡氏は言う。
火神山医院の鳥瞰。施設は2階建てになっており、1病棟(2フロア分)
当たり約80人を収容できたとみられる(写真:新華社/アフロ)
建設コンサルタントのプラスPMが推計した火神山医院の規模。
縦横比が2対1となる「ユニットハウス」
を規則的に並べる単純なつくりで施工の効率を上げた
(資料:プラスPMの試算を基に日経クロステックが作成)
プラスPMは、火神山医院の建設に用いられたユニットハウスのサイズを、
日本の標準規格(長手5.7m、短手2.4m)と同程度の大きさで、
縦横比が2対1となる「長手4.8m、短手2.4m」と類推した。
天井、壁、床にそれぞれパネルを取り付けた単純なつくりだ。
病棟は13棟あったようだ。
病棟の1フロア(推定の寸法は長手48m、短手16.8m)
では約40人だったとみられる。
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